古民家再生について。

”木造耐震診断”の項では、今の家は金物で固定して、柱が土台から抜けないようにしてやることが重要。という意味のことを書きましたが、
以前、宮大工の棟梁の本(松浦昭次著”宮大工千年の「手と技」”祥伝社)を読んだ時、「木造はあまりガチガチに固めると良くない。木はしなるのだから、柳の様にゆれを吸収するように作ってやるのが一番丈夫になる。」というような事を書いておられた。
 
これは相反するようなことであるが、矛盾しているわけではない。昔と今では使ってる木材が違うのだ。
古民家再生をしてみてよく分かった。
 
神社・仏閣などに使われてる宮大工さんが扱ってるような木材は(古民家もそうだが)、材の大きさが今の材とは雲泥の差がある。昔は材も切り出したままからのような大きな木材を使えたし、いくら時間がかかってもいいような建て方をしている。
しかし、今の時代は経済性が最優先される。昔は丸太1本からまるごと切り出したような柱が使えたが、今の時代は同じ丸太から何本柱が取れるかが優先される。昔では小さい方で400ミリ角くらいの柱が、今では大きくて120ミリ角くらいになってしまった。
当然、柱と梁・土台との継ぎ方(専門用語で仕口)はおのずと変わってくる。
昔は金物・釘など使わず、ほぞ(オス・メス)を開けてくさびで止めても強度が充分持ったが、今 手に入る細い材で同じことをやれば、そこから建物は倒壊してしまうだろう。
だから今の細い木材を使う限り、金物で止めてしまうやり方が、強度的にも経済(金銭)的にもベストな方法と言うことができる。仕方ないことですが。
 
ところで今、昔の古民家は新築の建物を建てるために、全国各地で取り壊されていっているらしい。
メンテしながら大事に使えばまだまだあと100年くらいは持ちそうなのに だ。
使用材料も先に書いたように、今では手に入らないような贅沢な材をつかってるのにもかかわらず だ。
間取りや、住宅設備にしても、現代の生活に合わせて変更(リフォーム)することは充分可能なことなのに。
 
古民家再生に関しては、建築界からは何も積極的な手は打とうとしてないし、あまり聞かない(個人的にやってるところは もちろんあるんだが)。逆に国文学者など、建築には無関係な方面のお方が保存とかに対しては前向きのような気がするんだが。
それはやはり、今の建築も経済性優先で、スクラップ&ビルドが儲かる最善の道だから、誰も言い出さないんだろうなぁ。
 
自分としては、先人の大工さん達の仕事を尊敬する意味も含めて、儲からなくても古民家再生に対しては今後 積極的に仕事の一環としてやっていきたいと思っています。
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